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ちゃんとした贈り物の作法!目上の方へのお礼で失礼にならない手順

お世話になった方へお礼をしたい。ただ、形式を間違えて失礼になるのは避けたい——ちゃんとした贈り物を考えるとき、多くの人が引っかかるのはこの点。

贈答には、表書き、時期、渡し方、送り状といった一連の作法があります。この記事では、品物選びの前後に必要な実務手順を、目上の方へのお礼を中心に整理しました。文例も掲載しているので、そのまま使えます!

ちゃんとした贈り物とは?品物より先に決めるべきこと

ちゃんとした贈り物を準備するとき、いきなり商品を探し始めるとうまくいきません。先に決めるべきは「名目」です

名目が決まると、すべてが決まる

お礼なのか、お祝いなのか、季節の挨拶なのか。この名目によって、表書き、金額の相場、渡す時期、適した品物がすべて連動して決まります。

名目表書き時期
お礼全般御礼できるだけ早く
お中元御中元7月初旬〜15日頃(地域差あり)
お歳暮御歳暮12月初旬〜20日頃
就任・昇進祝い御祝内示後、発令後1〜2週間
退職祝い御礼/御餞別最終出社日前後
長寿祝い祝還暦/寿誕生日前後

名目が曖昧なまま高価な品を贈ると、相手は受け取り方に困ります「何のお礼か」がはっきりしていることが、ちゃんとした贈り物の第一条件です。

相手の立場を先に確認する

公務員や上場企業の役職者には受領制限があります。国家公務員倫理法(2000年施行)の下では、利害関係者からの贈与は厳しく制限されています。ビジネス関係の相手には、そもそも受け取れるかどうかの確認が必要な場合があります

表書きと熨斗・ちゃんとした贈り物の形式を間違えない

形式面で最も間違いやすいのが、熨斗と水引です。基本を押さえておきましょう。

水引の色と結び方

  • 紅白・蝶結び:何度あってもよい慶事(お礼、お中元、出産、昇進など)
  • 紅白・結び切り:一度きりが望ましい慶事(結婚、快気祝い)
  • 黒白・結び切り:弔事

お礼で最も多く使うのは紅白の蝶結びです。迷ったときはこれを基本と考えて構いません。

内熨斗と外熨斗

包装紙の内側に熨斗をかけるのが内熨斗、外側にかけるのが外熨斗です。手渡しで名目をはっきり示したい場合は外熨斗配送で控えめにしたい場合は内熨斗という使い分けが一般的です。

名入れ

水引の下に贈り主の名前を書きます。連名の場合は、右から立場が上の順。3名までが目安で、それ以上は代表者名に「他一同」を添えます。

熨斗が不要な場合

お見舞い、弔事、生鮮品には熨斗をつけません。また、相手がカジュアルな関係で形式を好まない場合は、無理につける必要はありません。形式は相手を敬うための手段であって、目的ではありません

目上の方へのお礼!ちゃんとした贈り物の金額と時期

お礼の贈り物では、金額と時期の判断が肝心です。

金額の目安

場面目安
ちょっとした助力へのお礼3,000〜5,000円
仕事上の便宜・紹介へのお礼5,000〜10,000円
長期にわたる指導・恩義10,000〜30,000円
退職・独立の節目のお礼10,000〜50,000円

お礼は「もらった以上を返さない」のが原則です。相手の厚意を上回る金額を返すと、厚意そのものを金銭で清算したような印象になります。

時期

お礼は早いほど良い。目安としては、その出来事から1週間以内が理想です。遅れた場合は、遅れたことへのお詫びを一言添えます。

ただし、退職や異動の直前に慌てて贈るのは避けたほうが無難です。相手が荷物の整理をしている時期に大きな品を渡すと、持ち帰りの負担になります。この場合は配送を選ぶか、小さい品にするのが配慮です

目上の方に避けられがちな品

  • 現金・商品券:金銭的支援の意味に取られやすい
  • 靴・靴下・マット類:「踏みつける」の連想
  • 時計・筆記具:「勤勉に励め」の含意
  • 櫛:「苦」「死」の語呂
  • 刃物:「縁を切る」の連想

これらは慣習であり絶対の禁忌ではありませんが、目上の方への贈り物では、あえてリスクを取る必要はありません

渡し方の手順。ちゃんとした贈り物の場面別作法

渡す場面ごとの手順を整理します。

手渡しの場合

  1. 紙袋や風呂敷から品物を出す
  2. 相手から見て正面になるよう向きを変える
  3. 両手で差し出す
  4. 紙袋は持ち帰る(汚れ避けのため)

紙袋のまま渡すのは略式です。ただし、相手が持ち帰る必要がある場面では「袋のままで失礼します」と一言添えて渡すほうが親切な場合もあります。

訪問して渡す場合

玄関先ではなく、部屋に通されてから挨拶の後に渡すのが基本です。ただし長居しない場合は玄関先でも構いません

配送の場合

品物だけを送りつけるのは避け、必ず送り状を同封するか、別便で手紙を送ります。到着予定日の前に届くよう手配するのが丁寧です。

言葉遣い

「つまらないものですが」は謙譲表現ですが、現在では違和感を持たれることもあります。「心ばかりですが」「お口に合えばよいのですが」といった表現のほうが自然です

法人・ビジネスでちゃんとした贈り物を送るときの注意

ビジネスの贈答には、個人間とは別の配慮が必要です。

社内規程の確認

相手企業に贈答品受領の規程がある場合、金額上限や受け取り可否が定められていることがあります。事前に確認できるなら確認するのが最も安全です

個人宛か会社宛か

担当者個人へ贈ると、その人が処理に困ることがあります。部署宛にして分けられる品にする、あるいは会社名義で送る、といった形が無難な場合が多い

記念品・周年の贈答

企業の周年や竣工など、記念の場面では格のある品が求められます。額装作品や大型の工芸品は、応接室や社内に飾られて長く残るため、この用途に適しています。企業名や記念の年を意匠に入れた特注品を制作するという方法もあります

時期

年末年始の贈答が集中する時期は、配送が混雑します。お歳暮なら12月初旬までに手配しておくと確実です

格のある品を選ぶ。七宝焼と伝統的工芸品という選択

ちゃんとした贈り物として品物を選ぶとき、公的な裏づけがあるか」は判断の助けになります。その一つが伝統的工芸品の指定です。

伝統的工芸品という制度

1974年制定の伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき、経済産業大臣が指定する制度があります。一定の要件を満たした産地の工芸に与えられるもので、贈答の場面では、この指定が説明可能な「」として機能します

七宝焼の代表的な産地である尾張七宝も、この指定を受けた工芸です。愛知県あま市を中心とする産地で、金属素地にガラス質の釉薬を焼き付ける技法により、深い発色と艶を持つ作品が作られます。

贈答品として適している理由

  • 飾れる:額装作品や花瓶は、応接室や玄関で長く残る
  • 消費されない:食品と違い、受け取った側が使い切る必要がない
  • 意味を込められる:鶴は長寿、桜は門出、富士は繁栄など、祝いの名目に合わせて図案を選べる
  • 説明できる:産地・技法・指定を一言で伝えられる

窯元の例

田村七宝工芸は、明治16年(1883年)創業、愛知県あま市七宝町を拠点とする尾張七宝の窯元です。四代にわたり技を受け継ぎ、現在は四代目・田村丈雅氏が当主を務めています。

法人贈答との相性という点では、額装作品や大型作品を扱っていること、そして特注に対応していることが実務的な利点です。企業PRや特別注文、コラボレーションの相談にも応じており、周年記念や特別な贈答のための一点を制作してもらうこともできます。アジア競技大会の公式ライセンス作品やラリージャパンへの贈呈作品なども手がけており、公式な場面での実績があります。

田村七宝工芸公式HP ➤

目上の方への個人的なお礼であれば、ジュエリーや小型の額作品が予算的にも扱いやすい範囲です。

ちゃんとした贈り物に添える送り状・お礼状の文例

最後に、そのまま使える文例を挙げます。品物だけを送るより、必ず言葉を添えてください。

お礼として品物を送る場合(送り状)

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

先日は◯◯の件でひとかたならぬお力添えを賜り、誠にありがとうございました。おかげをもちまして無事に◯◯することができました。

つきましては、心ばかりの品を別便にてお送りいたしました。ご笑納いただければ幸いに存じます。

末筆ながら、貴殿のますますのご健勝をお祈り申し上げます。 敬具

目上の方へ、退職の節目に贈る場合

◯◯様

長きにわたるご勤務、誠にお疲れさまでした。在職中は公私にわたりご指導いただき、心より感謝しております。

ささやかではございますが、記念の品をお贈りいたします。愛知県の尾張七宝という伝統工芸の作品で、鶴には長寿の意味が込められているとのことです。

新たな門出が実り多きものとなりますよう、お祈り申し上げます。

簡潔な一筆箋の場合

先日は大変お世話になりました。心ばかりの品をお送りします。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

長文である必要はありません。名目、感謝の対象となる具体的な出来事、品物への言及。この3点が入っていれば十分です

ちゃんとした贈り物は、品物の値段ではなく手順の丁寧さで伝わります。名目を決め、形式を整え、言葉を添える。この3ステップを踏めば、目上の方へのお礼で失礼になることはまずありません

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RADDY編集部
伝統工芸や工芸品にまつわる記事を執筆/監修しています。記事は極力情報元を明記しておりますので各ご確認ください。下記 X(Twitter)リンクから記事内容について言及していただければ、情報訂正や追記、アップデートして参りますので、気になる点があればぜひX(Twitter)よりご投稿ください。

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